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アーティスト:ゆず レベル:6 登場回数:3(レギュラー版第3回、第21回、第30回) 挑戦結果 トモ:成功(レギュラー版第21回)
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16 いつか帰る場所 前へ 戻る 次へ ……相変わらず汚ねぇ町だよなぁ……。 パルミドの入り口へ移動呪文で着くと、オレはゼシカの手を思わず握り締めた。 「手ェ離すなよ。ここはヘンな奴が多いからさ」 オレが言うと、ゼシカはくすっと笑った。 「大丈夫よ!ここには何回も来てるのに……何よ今更。変なの!」 ――オレは本気で心配してんだけどさ……ま、いいや……。 オレたちは足早に、迷路のような町を駆けていった。 空はもう夕焼けに染まってきていて、町の中の建物が長い影を落とし始めている。 酒臭さと埃っぽさと、そして何年も寝かせたような澱んだ空気が オレの鼻や喉を刺激して、思わずむせちまうところだったよ。 オレとゼシカは物乞いや酔っ払いをすり抜けて、酒場の奥の階段から屋根の上に登り、 情報屋の部屋へと続く階段を降りた。 部屋の前に立つと、オレはドアを軽くノックした。 「……どうぞ」 返事を聞くなり、オレはドアを開けて情報屋の部屋へ入った。 後から入ってきたゼシカが、静かにドアを閉める。 情報屋は机に向かって、何かの書類を読んでいるようだった。 書類から目を上げてオレとゼシカを見ると、メガネのブリッジを押さえて、 のんびりとした口調で話し出したんだ。 「……おや、確か……ヤンガスくんと一緒に旅をされていた方ですよね?何かご用ですか?」 「もし情報を持っていたら、教えて欲しいことがあるんだ」 オレは情報屋の机へ歩み寄り、机に両手をついた。 「はい、どのような件についてでしょう?」 「聖地ゴルドが半年ほど前に崩壊したのは知ってるよな?」 「もちろんですとも!今はそこそこ人が住めるぐらいには復興したと聞いていますが……」 「崩壊した時……新法王になろうとしていた男の行方を知りたいんだ」 情報屋は少し上目遣いになり、何かを思い出そうとしているようだったな。 少しして、オレの顔へと視線を移した。 「確か……マルチェロ、とかいうマイエラ修道院の院長をしていた男でしたかな? それなら、聖堂騎士団の方からも問い合わせが来てましてね…… ああ、あとトロデーン城の国王陛下からも」 「――トロデ王が?」 オレは驚いたね。何だってトロデ王があいつの行方を捜してるんだろうと思ったんだ。 オレの隣に駆け寄ってきたゼシカも、不思議そうな表情で、オレと情報屋の顔を交互に見ていた。 「ええ。トロデ陛下は、マルチェロ氏が見つかった場合に寛大な措置を お願いしたいという旨の嘆願書をニノ法王に提出されたとかで……。 前法王殺害の容疑がマルチェロ氏にかかっているようですが、それは揺ぎ無い事実としても、 ゴルドを崩壊するに至ったのは、何でもマルチェロ氏がトロデーン城の宝である 暗黒神の呪いの杖を持ってしまったためだとか……。 そのため、ゴルド崩壊についてはマルチェロ氏に罪はない、というのがトロデ陛下の話でしたが……」 ――「罪はない」……ねぇ。 でもあいつ自身は、そう思っちゃあいないだろうな。 嘆願書はニノ法王へは有効かも知れないけど、プライドで生きてきたような奴には かえって逆効果かもしれないぜ? 情報屋は机に積まれた大量の書類を小分けにし、机にトントンと叩きつけて整えていた。 「それでですね、マルチェロ氏の消息に関する情報なんですが…… 一つゴルドで噂になっている話があるのですよ」 メガネを外して几帳面そうにレンズを拭きながら、情報屋は話し続ける。 「ゴルド崩壊から間もない頃の話らしいのですが……ゴルドの北の海岸にある、 人が誰も行けそうもない高い岩場にですね、人影が見えていたそうです。 その人影は岩の上に寝転んでいて、低いうめき声をずっと上げていたとか……。 するとそこに、突然耳の尖ったエルフのような女性と魔物のギガンテスが現れて、 その岩の上の人物を連れて行った……と言うんですよ」 「それが……マルチェロかも……ってことよね?」 ゼシカが尋ねると、情報屋は何回も頷いた。 「そうです。ただ、この話をしても、聖堂騎士団の方々は鼻で笑われて…… 『エルフとか魔物が現れる話は、お伽噺だけで十分だ』とおっしゃって、 信用してはいただけませんでしたが……。 トロデ陛下へは、これから連絡しようと思っていたところだったのです」 エルフにギガンテス……。 オレとゼシカは思わず顔を見合わせた。 「ラジュさんの……ところよね?」 「三角谷か……」 オレたちが妙に納得している姿を見て、情報屋は嬉しそうににっこりと微笑んでいる。 「どうでしょう……役に立てましたかな?」 「ありがとう。心当たりがあるんで、行ってみるよ」 オレは情報屋に礼を言い、ゼシカと一緒に急いで情報屋の部屋を出た。 屋根上に出るとすぐに、オレは移動呪文を唱えた。 そして三角谷に着いた頃には、もう既に夜になっていて、 明かりが点されている辺り以外は暗闇に紛れて見えなくなっていた。 ぴょんぴょん跳ね続けているバーサーカーの横を通り過ぎ、ラジュさんの住まいへと向かった。 吊り橋を渡ろうとすると、橋の下からたくさんの小さな光がプカプカと浮かんできているのが見えたんだ。 これって……蛍……だよな? 水辺なんか無いのに蛍がいるなんてさ……不思議な感じがしたね。 ラジュさんの部屋の前へ着くと、生い茂った草木に紛れている魔物たちが オレの顔を見るなり、ブツブツ囁き始めた。 「似ているね」 「うん、似てる」 「そっくりだよ。ふふふ」 「似てる……って何の話かしらね?」 ゼシカはそんな魔物たちをきょろきょろ見回し、不振げに呟いた。 おそらく、オレが誰かに似ていると言っているんだろうけど……さっぱり訳が解らず、 オレはぶっきらぼうに「さぁな」とだけ答え、ラジュさんの部屋の扉をノックした。 部屋の中にはラジュさんとギガンテスがいて、テーブルの上に食事の用意をしていた。 焼きたてのパンの香りと、豆を煮たような匂いが、部屋中に立ち込めている。 「あら……あなたたちは……」 オレたちが入ってきたことに気づいたラジュさんは、こちらへ駆け寄ってきたんだ。 「暗黒神との戦い、お疲れ様でした。エイトさんを始め、あなたたちへは何とお礼を申し上げてよいやら……」 「いえ……それよりも今日は――」 オレが言いかけると、ラジュさんはにっこり微笑んで、言葉を遮るように話した。 「……何も言わなくとも解ります。――あなたにとてもそっくりな方が、私たちの元におりますよ。 とても意思の強そうな……緑色の瞳をした黒髪の男性を、お探しなのでしょう?」 ――オレと似てる?……マルチェロが? ラジュさん……あんた本気でそう言ってるのか? オレには冗談で言ってるようにしか思えないけどなぁ……。 オレはラジュさんに向かって愛想笑いをしようとしたけど、上手くいかずに、 ちょっと引きつった笑いをしちまったんだ。 そんなオレの顔を見て、ラジュさんはクスッと笑い、部屋の奥にある クーパスという賢者が作った壁掛の前まで歩いていった。 「私たちは、困っているところを人間であるクーパス様に助けられた経験があります」 壁掛の前で、ラジュさんは軽く合掌した。 「ゴルドが崩壊したという話を聞いた時、そこではたくさん困っている方がいるのではないか…… と思ったのです。それならばクーパス様のように、エルフだとか、人間だとか、魔物だとか…… そういった種別を超えて、私たちも困っている方々を助けてさし上げたい……と。 そう思うと居ても立ってもいられなくなり、このギガンテスと一緒にゴルドへ向かったのです」 ギカンテスは大きな体を揺らしながら、ゆっくりとオレたちの方へ振り向いた。 そして地面に響くような低い声を出した。 「ゴルドに着くと、岩場からうめき声が聞こえたのだ。それがあの男だった」 ラジュさんは再びオレたちの元へ、近づいて来た。 「傷だらけで動くことも出来ないようでしたので、ギガンテスが背負って、 私が移動呪文を唱えてここまでお連れしたのですよ。 今ではすっかり傷も癒え、元気になっていらっしゃいます。 教会でミニデーモンの神父とお話しされていると思いますよ。どうぞお会いになって来て下さい」 「元気になってるってことは……相変わらずイヤミも冴え渡ってるのかしらね」 ゼシカがラジュさんにふざけたように言うと、ラジュさんは綺麗な顔をクシャっとさせて笑った。 「ええ、そうですね……。それにしても……本当によく似てらっしゃるわ、あの方と」 オレの顔をまじまじと見て、ラジュさんは首を傾げながら、言った。 「似てる……かなぁ?あんまり言われたこと無いけどな」 オレは肩をすくめて、答えた。 「とても似てらっしゃいますよ」 ニコニコ笑うラジュさんの横で、ギガンテスも相槌を打ってきた。 「似ているぞ」 そしてギカンテスはオレに近づき、オレの顔を大きな指で指し示した。 「お前のその瞳、あの男に似ている。強く、熱い、思いを感じる」 ラジュさんたちに礼を言い、部屋から教会へ向かうと、 教会の窓からほのかに明かりが漏れているのが見えた。 教会の前に着き、重い教会のドアをゆっくりと開けると、 薄暗い室内に、蝋燭の明かりに点された祭壇が浮かび上がっている。 その祭壇には、二つの影が見える。 祭壇の上に腰掛けた小さい影と、椅子に座って祭壇に向かっている男の影……。 甲高い早口な声と、聞き覚えのある低い重みのある声が、交じり合って教会の中に響いていた。 「キキーッ!しかし融通のきかねぇ男だな!」 「今の時間は、私がここにいてもいい時間のはずだ。食事は後で摂る」 「キキーッ!確かにこの時間は、お前の当番の時間だけど、都合があるから、 メシをさっさと食ってこいって言ってんだろ!」 「……うるさい。静かにしろ」 「キキーッ!おっ!そうやって人を突き放して、一人で孤独に浸ってるつもりだな? イヤミな奴だ!お前、友達いないだろ!」 ミニデーモン神父の話を聞いて、オレは思わず笑いながら 「いいこと言うなぁ」と言うと、ゼシカも声を潜めて笑いだした。 二人で少しの間、顔を見合わせながら笑った後、オレはゼシカに切り出した。 「……ゼシカ、お願いがあるんだ」 「何?」 ゼシカはまだ笑ったままで、オレに答えた。 「オレはあいつと話してくるから、ここで待っててもらえないか」 「……え?」 さっきまでの笑顔がぶっ飛んじまったように、ゼシカは眉毛と口角を思いっきり垂れ下げて、 オレを心配そうな顔で見ている。 「ククール一人で……大丈夫……なの?」 「大丈夫だよ。もし……オレがあいつに打ちのめされそうになってたら……、その時はオレの傍に来て、 あいつを上回るようなイヤミの一つでもブチかましてやってくれよ」 そしてオレは、ゼシカの手を左手で握り、右手を胸に当てて目を閉じた。 ――エイト、ヤンガス、トロデ王にミーティア姫様……そして……隣にいるゼシカ。 みんなの顔を思い浮かべて、ふっと息を吐き出した。 「じゃあ……行って来るよ」 オレはゼシカの頬に軽く口づけて、ゆっくりと祭壇へ向かって歩み出した。 長椅子の並ぶ間を通り抜けて、祭壇へと続く絨毯の上をオレは一歩一歩、確かめるように歩いていった。 オレの足音が絨毯に吸収されて、鈍いモソモソした音になって教会の中に響いている。 オレが祭壇へ続く階段の途中に立って上を見上げると、 テーブルに腰掛けたミニデーモン神父がオレに気づいて、祭壇で本を読んでいるマルチェロに声を掛けた。 「キキーッ!……誰か着たみたいだぞ!お前の客か?」 オレは、ミニデーモン神父の言葉に続けるように、言った。 「……思ったより元気そうだな」 オレの言葉に、マルチェロは本に落としていた視線を、顔を上げてオレに向けた。 その顔は、少しやつれている。 肌の色も見慣れたいつもの顔より青白く、頬のこけた部分が蝋燭の炎で影になって強調されて見えた。 最初は穏やかだったマルチェロの表情が、目の前にいるのがオレだと気づいたとたん、 まるで悪魔を見ているかのような形相になっていく。 「……何をしに来た。貴様の顔など見たくはない。帰れ!」 「相変わらずだな。少しぐらい丸くなってんのかと思ったら、さ」 オレの言葉に、マルチェロは返事をしなかった。 テーブルの上に置いた両手の拳を握り締め、体を震わせている。 「キキーッ!おい、二人で話したいなら、オレは邪魔じゃねーのか?何なら席外すぜ?」 ミニデーモン神父が、手に持ったバトルナイフをオレに向けて尋ねた。 「別にいいよ。聞かれちゃマズい話なんてしねーし」 「キキーッ!じゃあ、悪いけどここにいさせてもらうぜ!」 ミニデーモン神父は、ちょっとだけ体を動かして、オレたちに背を向けた。 「……とにかくあんたが無事でよかったよ。あのまんま野垂れ死にされちゃあ、オレも嫌だからな」 オレが言っても、マルチェロはオレの存在を無視するかのように、再び本へ顔を向けた。 ――変わんねーなぁ……。 こいつはオレに対しては、無視かイヤミの洪水か、どっちかを決め込むからな。 ……とりあえず、オレは話を続けたよ。 「あんたはすごいな。オレたちと戦って負けるまでは、あの杖を持ってても、 心を乗っ取られること無く、耐えられたんだもんな。たいした精神力だよ。 ……あんたはその上、何でも出来るし、頭も切れる。……隙が無いよな。 あんたなら誰にも頼らず、一人で生きていけそうだよ。 ほんとにオレとあんたじゃ、全然違う。あんたには敵わねぇな、って昔からずっと思ってたんだ」 オレは祭壇へ近づくように一歩だけ階段を昇り、腕を組んだ。 「……でもさ、ゴルドでのあんたの演説、聞いてたんだけど……あれでオレ、やっと解ったんだ。 あんたはずっと……苦しみ続けて来たんだよな……。 しかも、たった一人で――。 ……オレとあんたは、実のところ……同じだったんだよな……」 「……同じ……?貴様と……私が……?」 オレの言葉に、マルチェロの顔色が急に変わったんだ。 怒り……とかそう言うんじゃなく、心の奥底に溜まり続けた、行き場の無い感情が丸ごと、 ドロドロと出てきそうな感じだった。 「貴様に……私の何が解るというのだ!」 椅子から立ち上がり、マルチェロはテーブルにものすごい音を立てて、手を突いた。 その音が共鳴して、教会中に響き渡っている。 「不貞の子と呼ばれ、蔑まれ……全てを奪われ続けた私を……貴様に解ると言うのか?」 マルチェロはオレの顔を凝視し、唇を震わせている。 緑色の瞳は、オレを呪い殺さんばかりの光が宿っていた。 「私が思い続けたのは、己の生に対する憎しみだ!何のためにこの世に生を享けたかも解らぬ、 そんな存在である己を恨み、憎しみ続けて来たのだ! そして、私を蔑む全ての者をも、俺は憎しみ続けて来た! 私は一人で、そんな者どもへ報復できる日を、ずっと待ち望んでいたのだ!」 そう言うと、マルチェロはテーブルの上に置いてあった本を手に取り、床に叩きつけた。 オレは思わず天井を見上げた。 そして、おそらく今は地獄に落ちてるに違いないオヤジにさ、心の中で話しかけちまったよ。 ――オヤジ……あんたのせいで、オレもこいつも、とんでもなく面倒くさいことになってるよ……ってさ。 「しかし、やっと報復できる時を迎えたところで……再び地の底へ叩きつけられた 私の心持ちを……貴様は解ると言うのか!!!」 そこまで言うと、マルチェロは少し落ち着きを取り戻したように、ゆっくりと呼吸をして、顔を少し俯かせた。 上を見上げていたオレは、ふとマルチェロに視線を戻した。 オレは……この時をずっと待ち望んでいたような気がする。 大きなため息をつき、オレはマルチェロを見据えた。 「やっと……オレとまともに話をしてくれたな、兄貴」 オレの言葉を聞いて、マルチェロの横にいたミニデーモン神父が突然話し出した。 「キキーッ!何だ、お前こいつの弟なのか?どおりで似てると思ったぜ!」 「似てるかな?……何だかさ、ここに来てからみんなにそう言われるんだよなぁ……」 オレがそう言うと、ミニデーモン神父はちょっと気まずそうな顔をしている。 「キキーッ!話を折って悪かったな!ほら、話、続けろよ!」 オレはマルチェロをもう一度見据え、言った。 「……あんたは、いつもオレとはまともに口を利いてくれたことが無かったからさ。 ま、オレ自身もあんたとちゃんと話そうとする意思が無かったこともあるけど……。 やっと……あんたの気持ちをあんたから直接聞くことが出来て、よかったよ。 でもさ、それを一人で抱えてちゃあダメだぜ?バカみたいに自分だけに頼って生きてくの、もう止めろよ」 「貴様……私に何を言いに来たのだ!!さっさと失せろ!」 「だってさ、一人で生きてくモンじゃないんだぜ?人間ってのは……」 オレが言いかけると、ミニデーモン神父は突然トン、とバトルフォークを祭壇に打ち付けた。 「キキーッ!お前、いいこと言うじゃねーか。全くその通りだぜ! 一人で生きていけるほど、世の中は甘くねーっつーのに、 この男と来たら、この三角谷に来てから名乗りもしねーし、 助けてもらったラジュ様に対しても感謝の気持ちもねーんだよ!」 「……悪ぃな。うちの兄貴、顔に似合わずシャイなんだよ」 オレがおどけてミニデーモン神父に言うと、マルチェロはいきなり大声を上げた。 「くだらん話を聞いている暇はない!……私はこれで失礼する!」 マルチェロは祭壇を離れ、足早に階段を降りて行こうとした。 オレの隣を通り過ぎようとした時、オレはマルチェロの袖を掴んで、引き止めたんだ。 「おいおい、待てよ!オレの話、聞いといて損はないぜ?」 オレがそう言うと、マルチェロは階段の途中で足を止めた。 ……珍しいこともあるもんだよ、こいつがオレの意見に従うなんてさ。 「……人がさ、生きていくっていうことは……自分のどこか欠けている部分を認めて、 そしてそれを補ってくれる人がいて、お互いに心を許しあってくこと……だと思うんだよな、オレは、さ。 あんたは……まだそれが出来ない……だろ? 非の打ち所のない人間として生きようとして……そして……自分をひとりぼっちだと思ってる」 オレの言葉を聞き、マルチェロは皮肉っぽく肩を震わせながら笑い、振り返ってオレを見た。 「貴様の今の言い分ならば、まるで貴様が一人きりではないような物言いだな。 ……親もいない、故郷さえない、修道院からも追い出された、どこにも行く場所がないお前が…… 一人きりではないとでも言うのか?――笑わせるな!」 オレはとびっきりのカリスマスマイルで、マルチェロに答えてやったね。 「珍しくイヤミが冴えてないぜ?兄貴」 「私は……貴様に兄呼ばわりされる筋合いはない!」 マルチェロは心底ムッとしたように、オレを睨みつけた。 オレはそんなマルチェロの視線を気にせずに、話し続けた。 「オレだって、ずっと自分のことをひとりぼっちだと思っていたさ。 でもさ……一緒に旅をして、そんなオレを気遣ってくれる仲間が出来たし……。 よく考えたら、ドニの町にも昔からオレを心配してくれる人は結構いたんだよな。それに――」 そう言って、オレはゆっくりと瞳を閉じた。そして、大きく息を吸った。 「……こんなどうしようもないオレを……丸ごと受け止めてくれる人がいるんだ」 「ならば、その人間たちがいなくなったら、貴様はどうする気なんだ?結局、元の木阿弥ではないか!」 マルチェロはこれでもか、と言わんばかりに、オレへ反論してくる。 ……もうそろそろ、負けを認めるときが来るぜ、兄貴? 「残念だね、兄貴。みんなは……たとえオレの前からいなくなったとしても…… もうずっとオレの一番綺麗な場所に存在し続けているんだ。……ここにね」 オレは自分の胸を拳でポン、と叩いた。 「だから……もうオレは一人じゃない。あんただって……そうなんだよ」 オレは階段を降りて、少しずつマルチェロに近づいていった。 「この前、マイエラ修道院に寄ったらさ……みんなあんたが帰ってくるの待ってたぜ。 あんたがマズいことやっちまったことは、みんな知ってるのにさ……。 みんな……完全無欠でご立派なあんたを慕ってたり、頼ってたりしてた訳じゃないんだ。 あんたがくれた優しさに、みんな心動かされて、縋ってきたんだよ。 だから……あんたのことが、本当に心配で仕方ないんだ。……帰ってやれよ」 マルチェロの目の前まで来て、オレは立ち止まり、奴の目を見据えて言った。 「修道院では、聖堂騎士団の連中があんたをずっと待ってる。 そして――オレもあんたを思い続ける」 オレの言葉に、マルチェロは眉をピクッと動かした。それでも、オレは言葉を続ける。 「オレの唯一の肉親で……身内を失ったオレに、 一番最初に優しくしてくれたあんたを、オレは絶対に忘れない」 オレは一旦目を伏せて、もう一度奴の緑色の瞳を見据えた。 「だから……あんたは一人じゃないんだ」 マルチェロは身じろぎもせずに、オレの姿を見ていた。 「……そうだ。これをあんたに返しに来たんだったな」 オレは上着の内ポケットから聖堂騎士団長の指輪を取り出し、マルチェロの目の前に差し出した。 「いらん!貴様に必要ないのであれば、捨てろ!」 「まぁまぁ、そう言わずに受け取っておけって」 オレはマルチェロの右手を引っ張り、手を無理矢理開かせて、指輪を置いた。 「あんたが自分の唯一の居場所として、必死で纏めてきた騎士団だ。 あんたの生きてきた証を、わざわざ放り投げることもないだろ?」 「……言いたいことは、それだけか」 手に指輪を乗せたままで、マルチェロは言った。 「そうだよ。……じゃあ、帰るぜ。元気でな」 オレがマルチェロの横を通り過ぎ、階段を降りて出口へ向かおうとしたら、 ミニデーモン神父が後ろから話しかけてきた。 「キキーッ!おっ!帰るのか?お前が来てくれたおかげで、この男のことがよく解ったぜ!」 そしてミニデーモン神父は、テーブルからオレの元まで羽ばたいて飛んできた。 「キキーッ!お前たちはよく似てる、って思ったら、さっきお前が言ってたように、お前たちは同じなんだろうな! お前らは二人で同じ悲しみを抱えていた……ってことだな!」 オレはミニデーモン神父の言葉を聞いて、思わず苦笑いしちまったよ。 「悲しみを抱える」なんて言葉は、オレたちの辿って来たこれまでの道のりには、 あんまりにもキザ過ぎからなぁ。 オレは振り返り、ミニデーモン神父に肩をすくめて答えた。 「そんなカッコいいモンじゃないぜ?」 「キキーッ!ははは!そうか!……じゃあな、気をつけて帰れよ!」 ふと教会の出入口に目をやると、開けたままの扉に手をかけて、こっちを見ているゼシカがいた。 オレは足早に、ゼシカの元へ駆けていく。 「お待たせ。終わったぜ」 オレが声を掛けると、ゼシカは微笑んで、オレを迎えてくれた。 「大丈夫……だったみたいね。ちゃんと話せた?」 「ん……何とか……な」 オレはその時……何だか酷く気が抜けた感じがしてた。 今日、いろんなことがありすぎたせいかな? それとも、あいつと話した時の緊張がちょうど今、解けちまったのかな……。 とりあえず三角谷の入り口へ向かおうと、ゼシカと一緒に歩いていたら、 教会のある低地から上へ昇る階段の前で、奇妙な感覚に襲われた。 ――自分の足がまるで砂で出来ているかのように、脆く崩れそうな気がしたんだ。 足に全く力が入らず、風が吹いただけで、倒れそうな感じ……。 そして実際、オレは膝をガクガク言わせ、地面へ向かって沈み込みそうになった。 オレは咄嗟に目の前にいるゼシカの両肩に手を伸ばし、体を支えた。 「ちょ……ちょっと、ククール!!どうしたの!!」 ゼシカの声が、ものすごく遠くに聞こえる――。 こんなに近くにいるのに……? ふと周りを見渡すと、小さな光が地面から湧き上がるように浮かんできていた。 最初は一つ二つが浮かんでは消えるのを繰り返していたのに、 急にたくさんの数の光の玉が、オレたちの周りの地面や草むらから 漂うようにやって来ていたんだ。 ――何だこれ……? ゼシカもこの異様な風景にどうやら気づいたらしく、オレを細い両腕で支えながら、 周りを見回して眉を顰めている。 「これって……さっき見た蛍……なの?それにしては数が多いわよね……。不気味だわ……」 体中から汗が滲み出してくるのが判る。 そんなオレの体を、生ぬるい夜風が舐めていくよう吹いてきて…… 気持ちが悪ぃったら無かったよ。 その時、突然、何処からともなく、微かに音が聞こえてきた。 ――何の音だ? 笛や太鼓の音……ラッパのメロディも聞こえる。 楽しそうなざわめき声に、酒の匂いが混じり始めた――。 小さな光の集まる中に、うっすらと見覚えのある町の風景が浮かんできた。 ――これはどこなんだ? ……ああ、思い出した。 オレが生まれて、親父と母さんが死ぬまで育った……あの町だ。 そこには……小さな頃のオレがいた。 オレは友達と一緒に、大きな木の葉で作ったお面を被って 「おばけだぞ~」と言いながら、大人を驚かせて回っていた。 オレにいつもお菓子を分けてくれた隣のおばちゃんは、魔女の格好をしている。 宿屋の主人のバドおじさんは、スライムのかぶりものを付けてる。 ……そういえば、親父が治めていたあの町では、 秋になると収穫祭があって、みんなで仮装して騒ぐんだったな。 酒場のバニーガールや踊り子たちは、酒を浴びるほど飲んで、 倒れそうになりながら踊っている。 男たちは、そんな彼女たちを囃したてて笑ってる。 オレは友達と追いかけっこをしながら、ふと後ろを振り向いた。 外に出してあるテーブルで、ワインを飲んでる親父と、その隣で笑っている母さんがいる。 飲んだくれで、女好きで、ギャンブル好きで、人の気持ちも考えないような ズケズケした男だったけど、オレには優しかったオヤジ……。 オレを見て、笑って手を振っている。 母さんは綺麗な長い黒髪を風に靡かせ、オヤジや町の人たちに酒を注いでいる。 「母さん!」 小さなオレが呼ぶと、母さんは振り返り、大きな目を細くして微笑んだ。 「なぁに?ククール」 オレは思わず母さんに駆け寄り、抱きついている。 母さんはそんなオレをぎゅっと、両手で強く抱きしめてくれた――。 この祭りの後、すぐにオヤジも母さんも流行り病で倒れてしまって…… 結局オレはみなし子になったんだったな……。 それでも、忘れられない、たくさんの楽しい思い出。 オヤジも、母さんも、町の人も……みんながオレを受け入れ、愛してくれた、オレの帰りたい場所――。 「ククール!ククールってば!!」 ゼシカがオレのマントの裾を掴んで揺らしている。 それでオレはハッと我に返ることが出来たんだ。 足は……もうふらついていない。大丈夫。 たくさんの小さな光の群れは、オレたちの周りをまだ取り囲んでいて、 怪しくチカチカ光りながら蠢いている。 オレはゼシカの肩から両手を離した。 そして、その手で自分の顔を覆った。 「……どうしたの?」 ゼシカが不思議そうな声で、オレに尋ねる。 「……見えんだ。ずっと……思い出せなかったことが……今」 自分の声が、少し震えているのが解る。 何でだ?泣いてもいないのに……。 「何が……見えたの?……教えてよ」 ゼシカは縋るようにオレの胸元に手を当てて、上目遣いにオレを見ている。 「オレが……生まれた町……」 オレは手を顔から離し、グローブを付けていない手のひらをじっと見つめた。 「何で思い出せなかったのかな……今までずっと。忘れてなかったのに、さ。 オヤジに、母さんに、友達に……町の人の顔も全部はっきりと覚えているのに……」 懐かしくって、ずっと求め続けた、あの場所。 「オレは……戻りたかったんだ、あの町に。……あの頃に。 修道院に入ってから、ずっと、そう思い続けてたんだ。今も……そうだな、きっと」 オレがそう言うと、ゼシカはオレの胸へ額を付けて、 ちょっとはにかみながら、静かな声で囁いた。 「私は……気づいてたわよ」 「え?」 ゼシカはオレの顔を見上げ、微笑む。 そしてオレの胸元をぎゅっと掴んだ。 「ククールがね、辛そうな話をすると、必ず男の子みたいな顔になるの。 うちの村にいる、ポルクやマルクぐらいの男の子の顔に、ね。 だから、ククールがそのくらいの子供の頃に何かいい思いでもあって、 もしかして一生懸命思い出そうとしてるのかな……って思ってた」 「そっか……」 オレは笑って、ゆっくりとゼシカの背中へ手を回し、抱きしめた。 そして、空を見上げた。 地面から立ち上っている小さな光に負けないほどの星たちが、競い合うようにして瞬いている。 オレは光の群れに目を移し、大きく息を吐いた。 「でも……もうあの場所には帰れない。すべて、無くなったもの……なんだ。 マルチェロもさっき、オレに言ってたな。 『親もいない、故郷さえない、修道院からも追い出された、どこにも行く場所がないお前』って……。 本当に、その通りかもな……」 ふと、目を閉じてみる。 光の群れのはっきりとした残像が、瞼の裏でも光り続けていた。 「それに……あの場所は、本当はオレのものじゃ無かったのかも知れない。 オレが……あいつから勝手に奪っただけ、なのかもな……」 そう言ってしまうと急に、何だかとても自分が空っぽのように思えてきたんだ。 ――根無し草みたいに、あっちこっちと振り回されて、結局行く場所が無い自分……。 おそらく……この感情が、あいつとオレの共通した悲しみなんだろうな……。 ゼシカはオレの胸にもたれかかったままで、黙り込んでいた。 少しすると、オレから離れるように一歩だけ後ずさりし、 オレの顔を真正面から見つめた。 「ねぇ……ククール」 ゼシカは両手のひらをオレの胸に当てて、言った。 「トロデーン城が復活して、少しの間お城でお世話になって、 その後みんなでトロデーン城を後にしようとした時に、トロデ王と謁見したでしょ? あの時に、エイトが『ヤンガスの故郷はどこ?』って聞いて…… ヤンガスが何て答えたか覚えてる?」 「……何?」 「『兄貴の近くがアッシの心の故郷でがすからね!』って言ったのよ」 「そうだったかな?」 オレは思い出せなくって、思わず首を捻った。 「そうよ。だからね……」 ゼシカは一拍置いて、笑顔で答えた。 「きっと、私たちもそれと同じなのよ。私は……ククールのいるところが、私の帰る場所なの。 だからククールは……ククールが故郷のようにいつも帰って来れる場所は……私の傍、ってことよ!」 そう言うと、ゼシカは少し照れくさそうに目を伏せた。 「だからね、ククール……」 ゼシカは一生懸命背伸びをして、オレの耳に手を当てて、囁いた。 「――お帰りなさい」 オレは思わずゼシカの顔を見つめた。 ゼシカは背伸びをしたまま、オレの頬をそっとなぞるように触れている。 オレが微笑むと、ゼシカも嬉しそうに微笑み返す。 オレもゼシカの頬に触り、答えた。 「……ただいま」 そう言ったとたん、心が暖かいもので満たされて行くのを感じた。 それは全身に行き渡り、オレを優しく包み込んでいく。 オレはゼシカを抱き寄せて、腕に力をこめた。 ゼシカの体温がほのかにオレの体に伝わり、オレもゼシカと同じ体温に 染まっていきそうな気がした。 周りを飛び回る小さな光の群れは、地面から絶えず立ち上っていて、消える気配は全く無かった。 その光の中に……小さな影が見える。 それは――暗闇で一人、ブランケットを抱えながら泣いている、小さな頃のオレだった。 おそらく……修道院へやって来て間もない頃のオレだな……。 あの頃のオレは、夜が来るのが嫌だった。 真っ暗な夜の闇の世界がオレを包み込んで、体から心から、 全て飲み込まれてしまいそうな気がしてたんだ。 もし飲み込まれたなら、二度と、その闇から逃れられないような気がして――。 オレはゆっくりと瞳を閉じて、泣いている小さなオレにそっと話しかけた。 ――泣くなよ、ククール。 オディロ院長もお前に言っただろう? 「すべては時間が解決する」……ってさ。 時間はかかるんだ。 でも……いつかお前を抱きしめてくれる人が必ず現れるから、 それまで待つしかないんだよ。 お前は……夜は闇の始まりだと思って、おびえて泣いているんだよな? でもさ……違うんだ。 夜っていうのはさ、これからやって来る朝っていう、光の世界の始まりを待つ時間なんだよ。 お前を待っているのは、決して闇の世界なんかじゃない。 光り輝く、美しい世界なんだ。 前へ 戻る 次へ
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夢見ごこちのeasy time いつものようにおまえがしゃしゃりでてきた おかたいその言葉で どこまでも僕をがんじがらめにする Why? どういうつもり いつまで夏にしがみついているの リクエストには答えられないよ だからその手を離して 今すぐ get out of my way ひとりでも大丈夫さ ここには何もない wanna be without you 目も眩むような 僕の main street おまえはまだ 路地から目をぎらつかせて 鼻につくその臭いが 遠慮もなしに しつこくつきまとってる Why? どういうつもり 一体何がほしいのさ tell me いい加減に 目を覚ましてくれ だからその手を離して 今すぐ get out of my way ひとりでも大丈夫さ ここには何もない はやくその手を離して とりあえず get out of my way かくれたりしないよ ここには何もない wanna be without you だからその手を離して 今すぐ get out of my way ひとりでも大丈夫さ ここには何もない はやくその手を離して とりあえず get out of my way かくれたりしないよ ここには何もない wanna be without you
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カード名 綾錦 マオ&マイ 二つ名 半人前の二律背反 クラスタ 【赤】 HP 3 HP価値 50 アビリティ1 《Cast》 ↷魂の波長【ホデリ ホヲリ】 コスト ↷① 自軍の手札またはスピードカードに「ホデリ ホヲリ」のユニットカード1枚を、ユニットカードのログコストを支払わずにキャストする。 TYPE 男 女八幡学園都市 収録 Chapter4 パラダイス・ロスト レアリティ CA フレーバー 「今度のお兄ちゃんは」「いつまでもつのかな?」 相棒ユニットの決戦型超々ド級大神 ホデリ&ホヲリを実質②コストでキャストできる、『↷魂の波長』を持つキャスター。 キャスターとしては初の1枚で2人組(男の娘 女の子)である。
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さわ子「平日に泊まり込んで、どうしたお前ら」 唯「ははは、ほんとのこと言うと寂しいの」 律「まぁ最後の学園祭終わっちゃったし」 澪「もう卒業なんだなーって」 紬「そしたら何だか学園祭前に戻りたくなっちゃって……」 梓「お前らまだ二年生だろ」 澪「そういえばそうだったな」 紬「いつから三年生になったと錯覚していたんだろう」 唯「ごめんね私が変な話したせいで」 さわ子「変な話?」 唯「えっとね」 律「あ!」 唯「物置にね」 律「思い出したわ」 ドンドンドンドンドン ダシテー 律「和を物置に閉じ込めて」 唯「一年間封印したらどうなるんだろって話」 さわ子「は?」 ドンドンドンドンドン ダシテー 唯「やべっ。和ちゃんカンカンやで」 トンちゃん「怖い怖い」 澪「あれ?」 律「どうした」 澪「和なら結構前に物置から出したぞ」 唯「え」 梓「誰だあの声」 ダシテー 律「あ、私の携帯の着信音だったった」ダシテーダシテー 澪「なんだビックリした」 律「お、和からメールだ」 From 和 To 律 件名 お前のドラム なかなか良い値段だったぞ 律「ファック」 澪「どうした」 律「ドラムがやられた」 梓「やっぱりパクられてたんですね」 紬「そんなことってあるんですね」 澪「ねーよと言いたいところだが」 ガチャ 律「ドラムが無くなってやがる」 唯「若干笑えるな」 梓「確かに。若干確かに」 律「クソーあのメガネ……」ピローン 梓「line来てますよ」 律「お、クソメガネからだ」 和 ウソウソ、元の場所に戻しといたから 律「おろ?」 澪「ドラムが戻ってる」 和「あー重かった」 律「お前は何がしたいんだ」 和「別に良いでしょ、全部戻ってるんだから」 律「ちょっと待てシンバルがねぇぞ」 和「あるよ」 律「どこに」 和「頭上に」 律「え?」 ッバーン! 律「いて!」 シンバル「あーまたか……」 唯「クソワロタ」 律「あーやってらんねぇもう帰るわ」 梓「ちょっと待ってください!」 律「なんだよ」 梓「これからライブですよ! 何ですか帰るって!」 律「はい?」 澪「梓が壊れた」 唯「落ち着けあずにゃん」 梓「あれ?」 紬「ついていけんすわ梓には」 トンちゃん「あーやっちまいましたね」 梓「うわーいやだいやだ、私の時だけこれだ」 律「まぁまぁまぁ」 澪「だってさすがに無理だあるというか」 紬「あ!」 律「お?」 紬「思い出しました」 唯「ふむふむ」 紬「和ちゃんは」 和「やべっ」 紬「さっき私が」 ドンドンドンドンドン ダシテーダシテー 紬「Facebookで友達申請したのに拒否した裏切り者だということを」 ドンドンドンドンドン ダシテーダシテー 紬「今思い出しました」 和「すまんかった。ノリだ」 紬「こいつはTwitterもブロックした裏切り者だ」 和「すまんかった。うざかったんだ」 ドンドンドンドンドン ダシテーダシテー 律「誰が閉じこめられてんの?」 澪「ババアが閉じこめられた」 律「え? 誰に?」 澪「わからない」 律「わからないって」 澪「本人に聞いてみよう」 ガチャ 律「あれ? 私のドラムが置いてある」 和「ほんとだ」 律「シンバルがねぇぞ!」 シンバル「またか……」ッバーン! 律「いって! あーやだやだやだ、最低だ」 唯「クソワロタ」 梓「……」 梓「ハハ」 律「どうした」 梓「いやなんか面白いなって」 律「ああ、そうだな」 梓「私も軽音部入ってたら楽しかったんだろうな」 澪「……」 唯「い、今からでも軽音部に入れば……」 梓「無理です」 梓「トンちゃんの世話が忙しいので」 トンちゃん「お、また俺のせいにしちゃう感じ?」 梓「全部トンちゃんのせいだよ」 律「まぁこの亀のせいでお前は生物部に入部するハメになったから」 梓「トンちゃんさえいなければ」 唯「大丈夫だよあずにゃん」 唯「あずにゃんは軽音部員だよ」 紬「だよね。何で急に生物部とか言い出すのか意味わかんなかった」 澪「梓は全般的に意味が分からないんだよ」 梓「あー、理解できなかったんだ。それはすまんかった」 律「私は理解してたぞ」 律「まぁ強いて言えば、そろそろトンちゃん出すのやめようぜ」 澪「なぜ」 律「裏声がキツい」 梓「トンちゃんトンちゃん」 トンちゃん「何すか」 梓「トンちゃんトンちゃん」 トンちゃん「な、何?」 梓「あー呼んでみただけ」 トンちゃん「トンギャアアアアアアアアアアアッッッ!!!」ガンガンガン トンちゃん「アアアア、ゴホッ!ゴホッ!」 律「いやもう無理、キツい」 梓「ノリが良い女だ」 さわ子「とか言ってる間に12時っすよ」 澪「テンション上がってきた!」 律「今日は完徹で遊ぶぞ!」 梓「え?何で遊ぶんですか?」 唯「ムギちゃんの体で遊ぶの」 紬「お、みみはつだわソレ」 さわ子「くっくっく」 律「PS3持ってきたから」 澪「私たちはそれで遊ぶから」 唯「わ、私もPS3あそぶー」 律「あれ?」 澪「お?」 律「PS3がねぇぞ」 唯「もしかして」 律「こりゃパクられたくさいな」 紬「そんなことってあるんですね」 律「お、メールだ」ダシテーダシテー From 和 To 律 件名 お前のPS3 良い値段だったぞ 律「おお」 律「帰るわ」 紬「明日学園祭なのに?」 澪「やっぱり明日学園祭だったんだ」 梓「なんかもう緊張感吹っ飛びましたね」 律「ガチで忘れ物した」 澪「なんだ、何を忘れた」 律「それは言えない」 澪「言え」 律「言いたくない」 澪「わかった。物置の方で聞こう」 律「言いたくないんだって」 澪「なんなんだよ気になるだろ」 律「気にするな、私は帰る。それだけだ」 澪「どこに帰るんだよ」 律「決まっているだろ」 律「地球だ」 律「やり残したことがあるんだ……」 澪「お、分かった」 律「帰る……」 澪「お前さては」 律「……」 澪「エロ本出しっぱなしだろ」 律「地球に帰るーッ!」 澪「待て、今お前の家に電話して帰る意味が無くなるようにしてやる」 梓「おわ、鬼畜や」 律「ヤメロー!」 律「なーんてなウソウソ」 澪「何だよ」 律「あれだ、スティック忘れたんだよ」 澪「何だよあんなん割り箸で良いだろ」 律「お? 馬鹿にしちゃう感じ?」 澪「ウソウソ、ていうかさ」 律「なに」 澪「取りに帰るならついでにわたしんちの台所見てきて」 律「え?」 澪「カレー煮込んだままコッチ来たかもしれない」 梓「おっほ、火災発生?」 澪「今思い出したんだよね」 紬「……」 唯「さっきからムギちゃん携帯見てどうしたのー?」 紬「ん? 澪ちゃんの家が全焼するの実況してるの」 唯「見せて見せて、あ、すごーい」ニヤニヤ 澪「こりゃあ学園祭どころじゃない事態になってきたぞぉ」 梓「ガチですか?」 律「……」 紬「ウソウソ」 澪「びびったー」 澪「練習しようぜ!」 律「何の?」 澪「何のってお前」 律「うん」 澪「学祭ライブに向けての練習だよ」 律「お、確かにそろそろ練習しないとな」 梓「でも律先輩」 律「ん?」 梓「シンバル無いっすよ」 律「おい!」 シンバル「またか……」ッバーン! 律「あたたたた」 唯「クソワロタ」 おしまい 戻る
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276 :1/3:2008/02/28(木) 16 42 23 ID x99/8Rgbこなたとみゆきが遊びに来てる時に偶然双子の昔のビデオテープを発見して 居間で鑑賞する事になる4人。 「昔の小さくて可愛いつかさとかがみを存分に見させてもらうよ~」 「何だかそれだと今の私たちが可愛くないみたいじゃないのよ」 「まあまあかがみさん」 「何だか恥ずかしいねお姉ちゃん」 そう言ってる内に映像が流れ出す。 桜の咲く中、おしゃれ着にランドセルを背負って親と一緒に映ってる。 「おおっー!ロリつかさとロリかがみんだー!萌えーーーっ!!」 「へ、変な言葉使うな!」 「お二人ともとても可愛いですね。小学校の入学式でしょうか?」 「そういえば入学式が終わった後に家の前で撮った様な・・」 「あれ、なんかかがみ泣いてるよ?」 277 :2/3:2008/02/28(木) 16 43 26 ID x99/8Rgbつかさは笑顔で撮られてるのに対してかがみは顔を背けて涙ぐんでる。 『つかさと一緒のクラスがよかった・・』 『二人とも別々でもすぐに新しいお友達がたくさんできるわよ』 『いやだ!つかさと一緒がいい!私お姉ちゃんだからつかさのお世話するのー!!』 そう言ってつかさにしがみ付きわんわん泣き出すかがみ 『お、お姉ちゃん・・』 『こらかがみ、つかさをあんまり困らせるんじゃありません!』 『うわ~~んっ!ちゅかしゃぁ~』 お母さんが何とか引き離そうとするけどイヤイヤしてながら抵抗して つかさにベッタリなかがみ 『ちゅかさが一緒じゃないなら私学校なんて行かないもん!』 『お姉ちゃん、メッ』 その時少し怒った顔でかがみを叱るつかさ 『・・つかさ・・?』 キョトンとするかがみの頭をナデナデしながら 『もう私達1年生のお姉ちゃんなんだから一緒じゃなくても頑張ろうよう 私もお姉ちゃん無しでも頑張ってみるから』 『ちゅかさ・・一人で大丈夫・・私がいなくて寂しがらない・・?』 『うん、だって私今日からピカピカの1年生だもん』 『ほら~、妹のつかさはもう格好いい1年生なのにかがみはまた 幼稚園児のままなのかなー?』 画面の外からまつりの声が聞こえる 『むぅ・・つかさが頑張るのなら私も我慢する・・』 『全く・・かがみったらいつもそうやってつかさに甘えてばか・・・』 278 :3/3:2008/02/28(木) 16 44 51 ID x99/8Rgbプツンッ そこで唐突に映像が途切れる。 かがみがとうとう耐えられなくなって顔を真っ赤にしながら停止ボタンを押したからだ。 「・・・・・うぅ・・」 「・・・・ニヤニヤ」 「・・・・テレテレ」 「・・・・ニコニコ」 微妙な空気の中4人の沈黙が続く。 「・・かがみってさあ、子供の頃はつか・・・」 「何もしゃべるなぁあああ!!!」 感想を言いかけたこなたに飛び掛って両手で口を塞いで来るかがみ 「む、むぐぅ~~~」 「・・そういえばお姉ちゃんって昔から私と別々になる事を凄く嫌がってるよね。 中学生になって部屋を別々にする時も一人反対してたし・・お風呂も・・」 「つかさあああああ!!」 今度はつかさに飛び掛って口を塞ぐ。 「かがみさんは本当につかささんの事がずっと一緒に居たい位に大好きなんですね」 「さびしがり屋のウサちゃんなんだから♪」 「み、みんな黙れえええ!」 さすがに3人同時に口を塞ぐ事は出来ない。 「お姉ちゃん、いつか別々になっちゃっても泣いちゃだめだよ?」 「・・つかさがそう言うのなら・・って!何言わせるのよ!こらつかさ!頭を撫でるな!!」 それ以降当分このネタでこなたはもちろん、みゆきや当事者のつかさからも いじられまくったのは言うまでもない。279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 17 05 41 ID cSG30zWz 278 GJとしか言いようがない 恐らくこのスレにいる誰もが心のどこかで抱いていたであろう願望を見事なまでに具現化してくれた……敬礼。 281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 19 01 47 ID YYH42Z+Qたぶん自分は甘えん坊っていうことを自覚してるから必死に姉らしく振舞おうとするかがみと、 それをどこまでも理解しているつかさ萌え… 282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/28(木) 20 19 05 ID YYH42Z+Qでもつかさが不安なときは優しく包んであげるかがみという図も(ry
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バーナバス 七転学園用務員 38歳 海と言えば水着!水着といえば赤ビキニ!というわけで屋台出しやすそうなバナバのおっさんに決定!!とかそんなノリで出来たキャラ(待 『獣の槍』を守護する一族の末裔。とは言ってもすでに何代も前に守護任務から降りた分家で、『獣の槍』についても本来は特に関係を持つことも無かったはずなのだが… なんの偶然か、理事長が私有地として購入した土地が『たまたま』この封印の地で、『たまたま』バーナバスが職員として七転学園で働いていたことから臨海学校に参加することになる。 『獣の槍』は海の底にある竜宮城の宝物庫に保管されていたのが発見され、今でも竜宮城と共に海の底に沈んでいる。 なんか村始まる前には肝いミッシェルの親父とかって設定があったらしいよ? ちなみに奥さんは肝いミッシェルが幼いころに病死してるって設定だから今でも使おうと思えば使えるらしい。 いつまでも子供心を失わない浪漫を求める旅人。とか書くとかっこいいけど、実際は浪漫を追い続けた馬鹿いつまでも成長しないオサーン 用務員という使い勝手が良いポジションのためか、臨海学校以外でも時々名前を目撃することがある。 屋台 何でもついてるバナバさん秘密道具。 初号機は臨海学校の時にりゅうおうに突っ込んで爆砕。現在は持ち帰った金塊を資金に弐号機を製作中。あと、モニカと協力して学園を合体メカにする計画があるとかないとか。 実はプロトタイプとなる零号機もあったが、学園祭の時に試しで屋台に出したら思いのほか引く人が多く、結局はプリシラに押収されヤ○オクで結構な値段で売られた急遽ハズレにしたとか 『獣の槍』 人の魂を喰らい化け物を倒す力を与える槍。 適応者が槍を持つと、髪が異様に伸び、凄まじい身体能力を得る代わりに、魂を削られる。 魂を全て喰らい尽くされると、その能力者は異形の怪物に成り果ててしまうと言われている。 ぶっちゃけ、うしとらのアレです。 赤い紐は付いてなく、最初からフルパワーモードらしい。
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ドクター47 「貴様が何者かなど知った事か」 何処から取り出したのか、呂布の手に豪壮な弓が握られていた 「契約者が望みを託したのは俺の武だ。邪魔立てするならその全てを打ち払うのみよ」 瞬時に番えられた矢が、風切り音と共に放たれる その矢を右手で打ち払う追撃者 方天画戟という大業物すら触れただけで消滅させたその手は、放たれた矢も容易く崩壊させる 「まず、俺が信じるのは俺自身の武のみ。次に、名乗られたころで貴様など俺は知らぬ。そして何より」 呂布の腕が、消えたように見えた それほどの速さで次々と放たれた矢が追撃者の背後にあった電柱を貫き、瞬きをするほどの間に針鼠のように変えてしまった 「自らが俺よりも強いと信じるその目が気に食わん」 「その割に、矢をこちらに向けて撃ったのは一発だけなのね」 「こちらの技量を見せたのは、先刻の手加減の借りを返したまでだ」 改めて番えられた矢が、ぴたりと追撃者に向けられる 「初撃で貴様の動きは見切った。右手だけでは今のような連射は捌き切れまい」 「別に消滅させなくても矢は避けられるわよ?」 その余裕に対する返事とも言わんばかりに、放たれた矢がアスファルトを抉る 「その女給を守りながらでもか?」 「ちょ!? 俺ごと撃つ気!?」 涙目で暴れる犬耳メイドにも全く動じた様子もなく、新たな矢を番えた弓を一息で引き絞る 「選べ。その女給を盾に戦うか、その女給を捨てて戦うか」 「戦わない選択肢は無いのね。おねーさん悲しいわ」 「放たれた矢は止まらぬものよ!」 「ストーップ! お願いだから俺を挟んで喧嘩しないで、俺の為に争わないでー!?」 そんな悲鳴を無視して矢の初弾が放たれると同時に、犬耳メイドが空中に放り投げられる 「のわ―――――――――っ!?」 放たれた矢を次々と回避し、その身に迫るものを弾き落し、あるいは消し飛ばす 「流石に連射ができるような機関銃ほどの速度は無いよね!」 「あの男が使っていたような鉄礫を飛ばす武器の事か! 確かにな!」 だが回転や撓りを加えた矢は銃弾にはない動きで弾道を変化させ 更には合間合間に二本三本と同時に番えられた矢が、動きを先読みするかのように逃げ道を撃ち貫いていく 「だが、真っ直ぐにしか飛ばぬ小さな礫と一緒にするな!」 「うわっと、おおお? 器用ねー、おねーさん感心しちゃうなこれは」 「あんたら戦いに夢中なのは良いけどさ! 俺、この高さから落ちたら割と死んじゃう普通の人間なんですけど!?」 二階建ての住宅の屋根を見下ろす高さまで放り投げられた犬耳メイドが、眼下で人外の戦闘を繰り広げている二人に向かって叫び 僅かな浮遊感の直後に地面に向かって一直線に落下していった 「落ちる落ちる落ちる落ちる落ちる落ち、るっ!?」 「あ、一瞬忘れてた」 矢を避ける勢いついでに、落ちてきた犬耳メイドを片手でキャッチする追撃者 だがその瞬間、伸ばした腕目掛けて放たれた矢が、ギリギリ掠めて傷を付ける 痛みでも、傷を付けられた事でもなく、純粋に攻撃に対する反射でほんの僅かに身が強張ったその瞬間 「おぐぅっ!?」 腰の後ろにあるエプロンの結び目を貫いた矢が、その勢いで犬耳メイドを吹き飛ばして電柱に縫い付けた 「あああああ危ない状況は変わってないから!? 俺どうやって降りるのこれ!」 宙吊りになって喚く犬耳メイド その眼前に何時の間にか、へし折った道路標識を手にした呂布の姿が迫っていた 「のおおおおおおおおおおおおおお!?」 道路標識が犬耳メイドのすぐ上と下をもの凄い勢いで振り抜かれ 「ふんっ!!!」 投げ槍のように投げつけられた道路標識が、犬耳メイドが縫い付けられていた電柱の一部を達磨落しのように吹き飛ばした その勢いで電柱のコンクリートが砕け、突き刺さっていた矢から解放された犬耳メイドが呂布の腕に抱えられて地面に降ろされる 「も……もうやだこの人外決戦……」 すっかり腰が抜けてぐったりとした犬耳メイドを無視して睨み合う呂布と追撃者 「俺に与えられた目的は『この町の強き者と戦い打ち倒す事』だ。お前のような強者がいるのなら、益々以って止まる事はできんな」 月光を背に仁王立ちする呂布と、それに対峙する追撃者 「どっちが勝っても、結局俺って解放されないんだよね……」 犬耳メイドの呟きが、夜風に流されて消えていった 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
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そうさつはーとちぇっく【登録タグ GUMI そ トライアド 曲】 作詞:トライアド 作曲:トライアド 編曲:トライアド 唄:V3 GUMI(Power) 曲紹介 これは傷を舐め合うしかないパターン!! トライアド氏 の4作目。 今回のは楽しくて賑やかな曲です!ギリギリ五月に投稿出来てよかった・・・(作者コメ転載) PVを 月宮セイ氏 が、ロゴデザインを +cat氏 が手掛ける。 歌詞 誰かを愛したいのか 誰かに愛されたいのか あぁ、どっちが本音? 黒対黒のオセロ 白対白のエゴイズム あぁ、真実を確かめろ 人間の神秘です。そりゃ他人だもん (最後は自分頼り) 卑屈になるからおやすみなさい (おもちゃをください) 人前でロンリネス、傷を舐め合うしかない (想像で言って、偏見持って) あぁ、不安なんだ まぁいいいや求めない探さない 勘違いは手を いつまでも離さないさ オンリーなんて言えない 古臭い後ろの正面を 探して蹴飛ばせハリアップ 上っ面、からっきし、八方美人 Weak point 愛でられたい、奪い合いの傷跡 見世物にして笑う もういい加減飽きたでしょ? 面倒なコンティニュー世間体だけ (ほらほらしょせんはゲーム) 愛情じゃないからごめんなさい (近寄らないで) 下心マッドネス いつもそんな目で見てたの? (全部貪って、搾り取って) あぁ笑っちゃうな 診察を重ねても、心だけは教えてあげない つまらない 悲しいくらい見え透いた手を 恥ずかしげもなくするね フォーリンラブ嘘みたい 自分を見せるステイタス 愛と間違ってよ Hey! ハートチェック 右からどうぞ 1、2、3、4、5 黒く淀んだ心をどうも 3、2、1 で GO あぁまだわかんないまま もういいや求めない認めない 心の存在を どこまでもつきまとうな 完全なんてありえない 見つからない 悲しいけれど 感情的になったところで 誰もふりむいてくれないよ コメント 名前 コメント
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律「クー!ガー!」zzz ダッダッダッダッダッダッダ バンッ 律ママ「いい加減っ 起きなさいっ!」ポカッ 律「あいてっ!!」ガバッ 律「んだよー、疲れてるんだって」ヒリヒリ 律ママ「もうお昼過ぎよ?さっさと起きてご飯食べちゃいな!」 バタンッ 律(もう昼かよ 昨日の事がまるで嘘みたいだな) 律「(私ホントにあんないい人振ったのか…)ハハ、何様だっつーの!」ビシッ テッテッテッテッテッテッテ カッチャン 律「あー食ったー!」フイー 律(朝食抜いてたからついつい食べすぎちゃったぜ) 律「さて、と 澪んちに電話かけるとすっかなー」 パシッ ピッピッ プルルルルル プルルルルル ガチャッ 澪ママ「はい、秋山です」 律「あ、おばさん?田井中ですけどー」 澪ママ「あら律ちゃん、こんにちは」 律「今澪いますかー?」 澪ママ「あらごめんね、今具合悪いって寝込んじゃってるの」 律「そうなんですか…」 澪ママ「またぶり返しちゃったみたいで」 澪ママ「話あるなら一応呼んでみる?起きてるかもしれないし」 澪「あ、いえ 無理させちゃ悪いんで」 澪ママ「そう じゃあ何か伝えておく事はあるかしら?」 律「では『お大事に、あと昨日は一緒に行けなくてごめん』と伝えておいてもらっていいですか?」 澪ママ「わかったわ~」 律「それじゃお願いします」 澪ママ「は~い」 ガチャッ 律「澪また具合悪いのかー 大丈夫かな」パタン 律(家に見舞いに… って寝込むくらい具合悪いみたいだし) 律(うるさい私が行っても迷惑かけるだけだよなー)ハア 律(仕方ねえ、澪に手伝って貰う訳にもいかないし宿題やっちゃうか) 律(あー、明日からまた学校か 休みもっと長けりゃいいのになー) 律(でも学校行けばみんなに会えるし、部活だってできるしな!) 律「いよっしゃー!宿題がんばるぜー!」ガッツポーズ 聡「姉ちゃんちょっとうるさい」 澪(はあー もうお昼時か) 澪(お腹減ったしママにおかゆ作ってもらおう) ヨタヨタ カッチャン ヨタヨタ 澪ママ「!」ハッ 澪「お腹減ったからおかゆ作ってくれる?」 澪ママ「あら、電話なり呼ぶなりしてくれれば私から行ったのに」 澪ママ「体にキテるのに動いちゃだめよ?」 澪「大丈夫…(だって体と言うよりか心の問題だから…)」キイッ ストン 澪ママ「ちょっと待っててね~」コトコト 澪「ごちそうさま」フウッ 澪ママ「はい」ニコニコ 澪「ありがとう それじゃまた部屋に戻ってるね」スクッ 澪ママ「ええ 1人で歩ける?」 澪「はは、子供じゃないんだからそれくらい大丈夫だよ」 ヨタヨタ 澪(外見はもう子供じゃないけど、中身はまだ子供なんだな、私は) 澪(あと1年で高校卒業だっていうのに) 澪(いつも誰かに頼ってばかりだ 自立なんてできるんだろうか) ヨタヨタ カッチャン 澪(明日は、学校か)ボスッ 澪(律と 私は律と会って、普通に接することができるんだろうか)ゴロン 澪(普通の女の子らしく、友達の幸せを祝ってあげる事はできるんだろうか) 澪(絶対無理だ…) 澪(でも明日休んだらみんなにまた迷惑をかけちゃうんだよな) 澪(流石に明日は休めない) 澪(決心しろ、私!おめでとう、律!) ウトウト 澪(何時までも── 子供じゃいられないんだ──) 澪「…」スー スー チチチチッ チュンチュン 澪(朝か 学校行かなきゃな) カッチャン タッタッタッタッタッタッタ 澪「おはよう」 澪パパ「おはよう」 澪ママ「あらおはよう もう具合大丈夫なの?」 澪「うん、もう大丈夫」 澪パパ「無理はしないようにな」 澪パパ「お、もうこんな時間か いってきます」 澪「いってらっしゃい」 澪ママ「いってらっしゃい、あなた」 ガッチャン 澪「ふう、おいしい」パクパク ゴックン 澪「さて、私も行く準備しなきゃな」スッ 澪ママ「くれぐれも無理しすぎないようにね」 澪「うん」 タッタ 澪(歯磨きして) 澪(髪を直して、と)サラサラッ タッタッタッタッタッタッタ カッチャン 澪「忘れ物はないな、うん」ガサゴソ 澪(今日は、逃げずに律を迎えに行くぞ!) カッチャン タッタッタッタッタッタッタ 澪「それじゃいってきます」 澪ママ「いってらっしゃい 気をつけてね」 ガッチャン スタスタ ピタッ 澪(律の家の前まで来た ボタンを押せ、私) ピンポーン ガチャッ 律ママ「はいー」 澪「秋山です」 律ママ「あ、ちょっと待ってね 律ー!澪ちゃんが迎えに来たぞ!早くしろぃ」 ガチャッ 澪「はは」 澪(ううぅ)ドキドキ ダッダッダッダ ガッチャン 律「いってきまーす!」ドタバタ 律ママ「いってらっしゃい」ヤレヤレ 律「お!みーお!おはよーっす!」ビシッ 澪「あ、ああ… おはよう」 律「週のはじめだってのに元気ないぞー!」 律「って昨日また体調崩してたんだっけか、ごめんごめん」 澪「もう大丈夫だからさ…はは」 律「そうかー?まだちょっと辛そうに見えるけど?」 澪「っ!」ドキッ 澪(やっ、やっぱり態度に出ちゃってるのか!?) 律「まあ病み上がりにゃきついかもしれないけど急ごうぜ?このままじゃ遅刻しちまう」ダッ 澪「遅くなった原因はお前だろ」ダッ ダッダッ タッタッ ピタ 律「ほら、やっぱり元気ないじゃんかー」 澪「何言って… 私はこの通り元気だぞー」タッタッタ 律「やっぱりなんか変だよ澪 遅刻してもいいからゆっくり行こうぜ」 澪「だ、大丈夫だって 急ごう」タッ 律(おかしいよな、絶対 なんでそんな頑なに突っ張ってるんだよ澪)ダッダッ 澪(無理だ無理だ無理だ 私にはできないっ!)タッタッ 澪(律は私に比べて元気だな 彼氏と映画デート行ったんだもんな) 澪(そりゃ元気もみなぎるってもん…) 澪(ハッ!また私は… 何なんだよ私はぁっ!!!) ダッダッダッダッ ガラガラッ 律「セーッフ!!」ズザー 澪「間に合った」ハアハア 唯「まるで私みたいだね~」 律「なにぃっ!唯隊員に負けただとっ!」 唯「へっへ~ん!残念だったな、りっちゃん隊員!私は新・スーパーパワフル唯に生まれ変わったのだよ!」エッヘン 律「なんじゃそりゃ」 和「唯が今日早かったのは私が借りてたCD返すついでに一緒に来たからでしょ」 唯「えへへ~ まあそうとも言う~」 律「そのまんまだろっ!」ビシッ 13